やる気スイッチはどこにある? 書評「ブレインドリブン」

本ブログにお越しいただきましてありがとうございます!

みなさん、「オレのやる気スイッチ、誰か押してくれないかなー」って思うことありませんか?
僕はむちゃくちゃあります。いつも思ってます。

そこで、「脳科学的に正しいやる気スイッチ」について書かれた、「ブレインドリブン」という本について、内容を簡単に紹介したいと思います。

参考になれば幸いです。

やる気スイッチの正体

やる気スイッチ=集中力が高まるのは、2通りの場合があります。

  • 「楽しそう!」「やってみたい!」と思っているとき
  • 「制限時間」など、(適度な)プレッシャーがかかっているとき

「楽しそう!」と思っているとき、脳内では「ドーパミン」という物質が出ています。同様に、プレッシャーがかかっているときには、「ノルアドレナリン」という物質が出ています。

ドーパミンは、「新しい果物や獲物はないかなー」って探しに行くときのモチベーションになり、ノルアドレナリンは「襲われる、逃げなきゃ!」ってときに働きます。

そして、最高の「やる気スイッチ」は、これら2つが適度に働いているときなのです。

あの手この手で自分をノセる

勉強しないといけないのに、「やりたい!」って思えないこと、ありますよね?

実は、勉強や業務「そのもので」ドーパミンを出さなくても、別の方法でドーパミンを脳内に出しておいてから作業を開始することで、補うことができます。

本書では、「気に入った先生や、クラスに好きな子がいたときでも、成績が上がったことがないですか?」というようなことが書いてありました。最近で言うと、「うんこ漢字ドリル」が話題になりましたが、きっと子供はドーパミンをバンバン出しながら漢字の勉強ができるのでしょう。

大事なことは、「自分はどんなことで、テンションがアガるのか?」ということを、普段から探しておくことだと思います。

いいプレッシャーと悪いプレッシャー

時間制限のあるテストのとき、いつもより集中して問題に取り掛かれますよね?これが「いいプレッシャー」です。

逆に、「悪いプレッシャー」とはどんなものでしょうか?

本書では、「取り組んでいる課題以外から受けるプレッシャー」というようなことが書いています。

例えば、「あの部長に話をしに行かないといけないけど、怖いんだよな…」とか、「こんな事しかかけないなんて、自分はなんて才能がないんだ…」というようなことですね。

これがあまりに強いと、脳みそは「考えていいる場合じゃない!逃げろ」というモードになって、正常な判断ができなくなります。「頭が真っ白になる」「テンパる」状態ですね。

いいことだけ思い出す

人間の脳みそは、そもそも「起こりそうな良くないこと」「危なそうなこと」を自然に考えてしまうようにできています。そうじゃないと、厳しい自然の中で生き残れなかったからですね。

自分が「悪いプレッシャーを受けている」と感じたら、悪いところに目を向けるのではなく、「良かったところ」「できたところ」に着目するようにしましょう。

たとえ失敗に終わっても、「できた部分」に着目することで、「ここはできたから、次は違う部分をがんばろう」と前向きな気持ちになることが大切です。

つまり、「自己満足感」が大事

自分の「できた部分」に注目する…というのは、つまり、「自己満足できる部分を増やす」ってことかなと思います。

「人と比べて、自分ができてるとこを探す」というのは、めちゃくちゃ難しいことです。なぜなら、ネットを見渡すと、「自分よりできる(ように見える)人」が沢山いるからです。

それよりも、「今日はこれができるようになったぞ、よしよし」と、自分で自分を褒めること=自己満足できるポイントを沢山持っておくほうが、前向きに取り組めるようになり、結果的に「やる気が出る」のではないでしょうか。

子育てへの応用

一番コスパよく子供の学力を伸ばすための方法、知っていますか?

それは、「ネットにつながるPCと課題と仲間を与え、あとは隣でひたすら褒めてくれる人を配置する」ことです。

  • (優秀な教師が行きたがらない)貧困地域の子供たちに
  • ネットに繋がったPCと課題を与え
  • 常に励ましてくれる「おばあちゃん」役の大人を配置すると
  • 上流階級の子供と同じくらいの成績が取れた

という社会実験です。

この動画の途中に出てくる、作家のアーサー・C・クラークさんの言葉が、とても気に入りました。

「子どもたちが興味を抱いたとき、そこに教育が生まれる」

「知りたい」と思うこと、「できた!」と思うことが、子供たちのやる気スイッチとなって、難しい内容でも自分で調べることで吸収できたのでしょうね。

「褒める教育」には色々な意見がありますが、「子どもたちができたことを驚いてあげる」という形の「褒め」は、子供たちのやる気につながるんじゃないかなと思います。

本書で紹介されている他の内容

本書では、他にも「ストレス」「クリエイティビティ」の切り口で、脳科学的に関する様々な内容が紹介されています。

「ストレス」では、ストレスのコントロールの方法や、「ストレスを味方につける方法」が紹介されています。「クリエイティビティ」では、「そもそもクリエイティビティは大人になってから鍛えられるのか?」や、「クリエイティビティを伸ばすための脳の使い方」が紹介されています。

まとめ

  • 「知りたい」と思ったときにでるドーパミンと、「制限時間」などの適度なストレスが重要
  • ドーパミンは、勉強そのものから出さなくてもよい
  • 過度なストレスは、脳を「考えるな、逃げろ」モードにしてしまう
  • 子供には、課題、PC、仲間、褒めてくれる人を与えるだけでも自分で学習してくれる

参考になれば幸いです!